難治性下痢症診断の手引き
-小児難治性下痢症診断アルゴリズムとその解説-

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疾患各論2

難治性下痢症診断アルゴリズムの解説:
アルゴリズムに含まれていない疾患の解説

toddler’s diarrhea

1)概念・定義

 よちよち歩きの幼児(toddler)期に,非特異性の下痢が数週間から数か月続く状態をtoddler’s diarrheaとよぶ.

2)病因

 真の原因は不明であるが,腸蠕動速度の相対的な亢進,不安定性から消化不良性下痢をきたすものと考えられ,幼児型の過敏性腸症候群とも解釈される.食事中の甘味料やジュース,スポーツ飲料を摂ることでソルビトールやフルクトース,コーンシロップなどの糖質が小腸で吸収されずに大腸に到達して浸透圧性の水様下痢が誘発されることも一因と考えられる.

3)症状

 下痢は1日3~10回程度であり,便性は泥状ないし水様で血便はみられない.腹痛を訴えることは少なく基本的に児の活気や食欲があり,通常のカロリーが与えられていれば成長発育に問題がない.

4)治療・予後

 甘味料を含む飲料の摂取を控えることが勧められるが,それ以外の食品除去は根拠に乏しく,乳製品や脂肪も制限する必要はない.水様下痢の回数が多い症例ではロペラミド塩酸塩(ロペミン®)が有効な場合がある.幼児期を過ぎるとともに自然軽快する.