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その他の代謝性疾患

<診断のポイント>

 黄疸には二種類あり、間接型ビリルビン優位か直接型ビリルビン優位かで疾患は大きく異なります。直接型ビリルビン優位とは、総ビリルビン値のうちの直接型ビリルビンが15%を占めるかあるいは直接型ビリルビン値が1.5mg/dl以上を示すものを言います。


<総論および病態>

 直接型ビリルビン優位であれば、他の項目で説明された疾患を鑑別します。それ以外の疾患は、わが国では頻度は少ないですが、(1)遺伝性高チロシン血症、(2)ガラクトース血症があります。

(1)遺伝性高チロシン血症T型
フマリルアセト酢酸ヒドラーゼ欠損によって血中チロシンが高値を示すT型では細胞内に蓄積するフマリルアセト酢酸の毒性により肝細胞障害がみられ、黄疸を呈します。
(2)ガラクトース血症T型
ガラクトース代謝において、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ(GALT)欠損症では生後2週間以内にその90%で黄疸がみられます。

 間接型ビリルビン優位であれば、Crigler-Najjar症候群があります。肝臓内でのUDP-グルクロン酸転移酵素の活性低下によります。


<診断の詳細>

(1) 遺伝性高チロシン血症T型
 尿中有機酸分析で尿中サクシニルアセトンの増加がみられます。

(2)ガラクトース血症T型
 新生児マス・スクリーニングでガラクトース血症が見られた場合、残ったろ紙血を用いてGALT活性を測定することができます。

Crigler-Najjar症候群にはT型とU型があり、黄疸の程度とフェノバルビタールに対する反応によって臨床的にはほぼ診断がつきます。確定診断にはUDP-グルクロン酸転移酵素遺伝子(UGT1A1)の変異を検査します。


<治療と予後>

(1) 遺伝性高チロシン血症T型
肝障害の進行を早急に防止することが重要で、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸酸化酵素の阻害剤であるNTBCの投与と低フェニルアラニン・低チロシン食を行います。但し、NTBCは国内では入手困難で個人輸入となります。肝硬変、肝癌へ進行した場合は、肝移植となります。

(2)ガラクトース血症T型
無ガラクトース食を生後3か月までに開始します。それ以降になると精神発達遅滞を示します。

Crigler-Najjar症候群T型は、UGT1A1の残存活性がなく新生児早期からの著明な高ビリルビン血症で連日の光線療法が必要となります。しかし、その効果も思春期には低下するため、肝移植の適応となります。U型ではUGT1A1の残存活性は10%以下であり、高ビリルビン血症は新生児期から遷延します。黄疸の程度はT型より軽く、フェノバルビタールの投与によりビリルビン値の低下がみられます。ほとんどの場合、治療は必要ありませんが、稀にフェノバルビタールの投与が必要な高ビリルビン血症の症例があります。


<参考文献>

1.中村公俊 他. 遺伝性高チロシン血症. 小児内科. 2009 41(増刊号):341-347.
2.岡野善行. ガラクトース血症. 小児内科. 2009 41(増刊号):410-414.
3.丸尾良浩. 体質性黄疸. 小児内科. 2009 40(増刊号):638-643
4.小松陽樹 他. 黄疸. 小児内科 2000 32:453-460

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